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トップ > 未来証券 > 未来証券 - 人気ブログ(Blog)検索結果詳細 (2008年11月22日 12時)

●「共通出願様式の受付開始について」

 11/21の特許庁HPに「共通出願様式の受付開始について」(http://www.jpo.go.jp/cgi/link.cgi?url=/tetuzuki/t_tokkyo/shutsugan/kyoutsusyutugan.htm)が掲載されています。


 来年の1月1日より、特許出願の出願形式が共通出願様式に変わります。


 記載内容自体はあまり変更されていないと思いますが、請求の範囲が明細書の後に回ったり、見出しの追加や名称変更がされていますので、注意が必要ですね。

作者:Nbenrishi

更新日:2008年11月23日 0時0分

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●平成20(行ケ)10314 審決取消請求事件 商標権「メルク萬有」

 本日は、『平成20(行ケ)10314 審決取消請求事件 商標権 行政訴訟「メルク萬有」平成20年10月30日 知的財産高等裁判所』(http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/20081030171304.pdf)について取上げます。


 本件は、商標の不使用取消審判の棄却審決の取消しを求め、その請求が認容された事案です。


 本件では、不使用取消審判の審決取消訴訟において、被告である商標権者が何ら使用の主張立証をしなかっため、原告側の主張が認められたようです。


 つまり、知財高裁(第3部 裁判長裁判官 飯村敏明、裁判官 齊木教朗、裁判官 嶋末和秀)は、


『被告は,適式の呼出し(公示送達によるものではない。)を受けたが,本件口頭弁論期日に出頭せず,答弁書その他の準備書面の提出もしない。したがって,前記第2記載の原告の主張(ただし,後記のとおり,被告において主張立証責任を負担する,本件商標の使用に係る事実は除く。)を自白したものとみなされる。


 なお,本件商標の商標権者である被告,専用使用権者又は通常使用権者のいずれかが,本件審判の予告登録がされた平成19年5月29日より前3年以内に,日本国内において,本件審判の請求に係る指定商品(第5類「薬剤」)について,本件商標の使用をしているとの事実は,被告において主張立証責任を負担する事項であるが(商標法50条2項),被告は,同事項について,何らの主張立証をしない。


 したがって,本件審決が認定した「被告は,本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において,本件商標を請求に係る指定商品中の『薬剤』について使用した」との事実は,これを認定することができない。


 よって,原告の請求は理由があるから,これを認容することとし,主文のとおり判決する。』


 と判示されました。

作者:Nbenrishi

更新日:2008年11月22日 0時0分

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●取消・無効審判の請求の趣旨中の『○○及びこれに類似する商品』

 日本商標協会(http://www.jp-ta.jp/index.html)に、『法制度研究部会からのお知らせ「取消・無効審判の請求の趣旨中『○○及びこれに類似する商品』の表示の取扱について」第2弾』(http://www.jp-ta.jp/word/news/20081110_news.doc)が掲載されています。


 これによりますと、日本商標協会の法制度研究部会と、特許庁審判部等との意見交換により、商標登録の取消審判及び無効審判の「請求の趣旨」において、「○○及びこれに類似する商品」等の記載は、原則として請求の趣旨の不明確な審判請求として取り扱われることになりましたが、このような記載が必要になる場合が想定されるので、かかる場合には、請求の趣旨を補正するのではなく、上申書などを提出して、「○○及びこれに類似する商品」の記載が必要な旨を申し述べる方法があるとのことです。

作者:Nbenrishi

更新日:2008年11月21日 0時0分

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●昭和54(行ケ)33特許権「幾何学的形状を有する容器の連続製造方法」

 もう、年末モードに入っていますので、とにかく忙しいですね。


 さて、本日は、『昭和54(行ケ)33 特許権 行政訴訟「幾何学的形状を有する容器の連続製造方法」昭和57年04月27日 東京高等裁判所』(http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/164C42174FE2B7E549256A76002F8929.pdf)について取り上げます。


 本件は、拒絶審決の取消しを求め、その請求が認容された事案です。確か、10/1の特許ニュースに掲載されていた事案だと思います。


 本件では、特許請求の範囲における「内側に折り畳み且つ平らに伸ばす」の用語を、明細書に記載された発明の詳細な説明を参酌して判断した点で、参考になる事案かと思います。


 つまり、東京高裁(裁判官 高林克巳 楠賢二 杉山伸顕)は、


『二 そこで、審決にこれを取消すべき違法の点があるかどうかについて判断する。

(本願発明について)


 原告は、本願発明は「管状リボンの連続製造方法」に関するものであるとし、このことを基本として審決取消事由を主張するのに対し、被告は本願発明は「中空容器の連続製造方法」に関するものであり、したがつて原告がこれを「管状リボンの連続製造方法」と把握し、これを前提として審決の判断を攻撃するのは理由がないと争つているものと解せられるので、先ずこの点について判断する。


 成立について争いのない甲第二号証(本願発明の原明細書)によれば、本願発明の原明細書の特許請求の範囲は、

「長い剛性のあるプラスチツクシートから幾何学的形状を持つた中空容器を連続的に作る方法にして、前記シートの長手方向に少なくとも二本の連続状の刻み目線を入れる段階と、前記シートを二本の刻み目線において連続的に内側に折りたたむ段階と、この折りたたんだシートの長手方向の自由端縁部を密封して扁平な管状のリボンを形成する段階と、を包含することを特徴とする幾何学的形状を有する中空容器の連続製造方法。」


というものであることが認められ、右記載によれば、本願発明の原出願は、中空容器の連続製造方法に関するものであることは疑う余地がない。


 ところが、成立について争いのない甲第三号証(昭和四四年一二月四日付手続補正書)によれば、原告は、その後、特許請求の範囲を事実摘示第二の二記載のごとく補正したものであることが認められる。しかして、右記載は「剛性のあるプラスチツクシートの長い巻物から、切断されて幾何学的形状をした中空容器に変換できる扁平な管状リボンを連続的に作る方法にして、……を包含することを特徴とする幾何学的形状を有する中空容器の連続製造方法」というものであつて、右前段の記載と後段の記載とは一見矛盾するものであるが、前段の記載を重視すれば、原告主張のように、本願発明は、「管状リボンの連続製造方法」に関するものであると解せられなくもない(この場合後段の記載は、「……を包含することを特徴とする幾何学的形状を有する中空容器『に変換できる管状リボン』の連続製造方法」と読むものとし、また、そう読むことも必らずしも不可能ではない。)


 しかしながら、前記手続補正書においても、発明の名称(「幾何学的形状を有する容器の連続製造方法」)は、変えられることなく、発明の詳細な説明も原明細書のそれと表現において大差のないものであること、特に第四頁七行目ないし一〇行目には、「本発明では、透明な剛性のあるプラスチツクシート容器を連続的に壁形状に作り、そのあとで該壁を一定長に切断し、端部キヤツプすなわち蓋を安くて簡便な方法で取り付ける。」との記載があり、同所以下にその詳細な説明及び容器の製造方法の実施例が記載されている点から勘案すれば、本願発明は原告主張のような「管状リボンの連続製造方法」に止まるものではなく、「幾何学的形状を有する中空容器の連続製造方法」に関するものというべきである。


(審決の本願発明と引用例の一致点及び相違点の認定について)

 審決(成立について争いのない甲第一号証)は、本願発明と引用例(成立について争いのない甲第四号証)との一致点を、「剛性のあるシートの長い巻物から切断されて幾何学的形状をした中空容器を連続的に作る方法にして先端鈍角の部材で前記シートの硬い表面上に長手方向に連続した折り目をつけ前記シート表面上に少なくとも二本の蝶番の作用をする連続した長手方向折り目線を形成する段階と、前記シートを複数本の折り目線において連続的に内側に折り、前記の折つたシートの長手方向の自由端縁部を密封して管状リボンを形成する幾何学的形状を有する中空容器の連続製造方法。」とし、本願発明が引用例と相違する点として「本願発明が(i)長いシートに、引用例の技術の長尺紙シートに代えて、プラスチツクシートをもつて供した点、(ii)シートを折るための折り目付けにあたり、引用例の技術が凸凹条ロールで連続した折り目をつけたのに対し、先端鈍角の刃で連続した刻み目をつけた点、(iii)管状リボンを扁平に形成する段階を包含せしめている点」の三点を挙げ、この相違点について判断して、結局本願発明は当業者が引用例に記載された発明に基づいて容易に発明することができたものであるとしている。


 しかしながら、本願明細書(甲第三号証)の特許請求の範囲は事実摘示第二の二記載のとおりであり、これによれば、本願発明は、剛性のあるプラスチツクシートの表面上に少なくも二本の長手方向刻み目線を形成する段階と、このシートを(少なくとも)二本の刻み目線において連続的に「内側に折り畳み且つ平らに伸ばす段階」とを包含していることが明らかであるが、引用例には、このシートを「内側に折り畳み且つ平らに伸ばす段階」は存しないと認められるから、本願発明は審決の認める前記三つの相違点のほかに、なおこの相違点が存するものとしなければならない。


 しかして、シートを(少なくとも)二本の刻み目線において連続的に「内側に折り畳み且つ平らに伸ばす」とは、発明の詳細な説明の項(甲第三号証第四頁一五、一六行目、第六頁一六行目ないし第七頁二〇行目)の記載を参照すると、中空容器を製造する段階でできる管状リボンを一定長に切断した後でこれに端部(実施例ではキヤツプ64)を取り付ける際に、容器壁の操作を容易にするために、刻み目線においてプラスチツクシートを先ず内側に折り畳み、次いでこの一旦折り畳んだシートを折り畳む前の状態に開くこと(発明の詳細な説明の欄第四頁一五、一六行目ではこれを「刻み目の或るものを閉じたり開いたり」すると表現しており、四角形の中空容器を作る実施例においては、この閉じたり開いたりが各二本の刻み目線において二度にわたつて行なわれる旨が記載されている―第七頁一六、一七行目)をいうものであると解される。


 審決は、本願発明と引用例の相違点を認定するに当り、第三点として、本願発明が管状リボンを扁平に形成する段階を包含している点を挙げているが、本願発明が明細書の特許請求の範囲において「扁平な管状リボンを形成する段階」と言つているのは、前記のシートを連続的に「内側に折り畳み且つ平らに伸ばす段階」とは異なるものであるから、審決が右相違点(iii)を挙げたことをもつて、本願発明の引用例との相違点である、本願発明がシートを連続的に「内側に折り畳み且つ平らに伸ばす段階」に言及したものとすることができないのはいうまでもない。しかして右の点は本願発明の必須構成要件であるから、審決は本願発明と引用例との相違点についての判断を遺脱し、事実を誤認したものであつて違法である。


 右の点に関し、被告は、本願明細書の特許請求の範囲における「内側に折り畳み」とは、シートを幾何学的形状の中空容器の内側に折り畳むことを意味するものであり、本願発明は刻み目が幾何学的形状の中空容器の内側に設けられていることを要件とするものではない旨の主張をしている。


 しかしながら、原告は、本願発明は刻み目が幾何学的形状の中空容器の内側に設けられていることを要件とするものであると主張するものではなく―ー刻み目が幾何学的形状の中空容器の内側にあつても外側にあつてもよいことは、本願明細書(甲第三号証)第一四頁一行目ないし七行目の記載の示すところである−プラスチツクシートを刻み目線において、刻み目を入れた面を内側にして折り畳むことを要件とするものであることを主張するものであることは明らかであるから、被告の右主張は理由がない。


 被告は、また、本願明細書の特許請求の範囲でいう「折り畳み且つ平らに伸ばす」とは、折り畳まれたシートをそのまま平らに伸ばす(扁平化する)ことと捉えるべきであり、特許請求の範囲においては「折り畳み且つ平らに伸ばす」段階は、自由端縁部の密封の前段に記載されているにかかわらず、発明の詳細な説明の項及び図面においては、自由端縁部の密封作業が先に、分離された隅部を平らに伸ばす工程が後に来るように記載されているから、特許請求の範囲の「折り畳み且つ平らに伸ばす」を「隅部(刻み目)のシートを分離し平らに伸ばす」と捉えることは本願発明の製造工程の段階的序列をこわすこととなるから許容し難く、本願明細書には「この作業は任意のもので」とあるから、「隅部のシートを分離して平らに伸ばす」ことは本願発明の構成要件ではない旨の主張をする。


 本願明細書(甲第三号証)の特許請求の範囲の項と、発明の詳細な説明の項及び図面の記載とでは、シートを折り畳み且つ平らに伸ばす段階と、自由端縁部の密封段階とが逆の順序になつていることは被告指摘のとおりであるが、そうであるからといつて、特許請求の範囲に記載の順序では本願発明が実施不能になつてしまうということはない。


 問題は、明細書の特許請求の範囲の項の記載と、発明の詳細な説明の項又は図面の記載とが矛盾する場合に出願をどのように取扱うべきかということにすぎない。


 この場合は、特許法第三六条第五項により拒絶すれば足る。本件審決は、本件出願をその理由で拒絶しているものではなく、本願発明を解釈し、これを引用例と対比しているのである。しかして、出願に係る発明の解釈に当つては、特許請求の範囲に記載された事項が、発明の詳細な説明の項又は図面に記載された事項と矛盾するとの一事をもつて、特許請求の範囲に記載された事項を全く無意味のものにしてしまうことは許されない。


 出願人が始めから完全な明細書を作成することは必らずしも常に期待できるものではないから、その場合は、むしろ、特許法第七〇条の規定の趣旨にのっとり、発明の詳細な説明の項及び図面の記載にかかわらず、出願に係る発明思想を把握し得るかぎり、特許請求の範囲の記載に基づいてこれを解釈すべきものである。


 そうすると、本願発明の明細書の特許請求の範囲でいう「平らに伸ばす」なる用語は、明細書の図面の簡単な説明の項及び発明の詳細な説明の項(甲第三号証第一頁九行目、第三頁一一行目、同一二行目、第七頁六行目、同一三行目、第八頁一三、一四行目)においていずれもシートを刻み目線において内側に折り畳み、その折り畳んだものを開いて元どおりに「平らに伸ばす」意味で使用されており、その他の意味で使用されているところはなく、ましてや、被告が主張するような折り畳まれたシートをそのまま平らに伸ばす(扁平化する)意味で使用されているところは一か所もないから、この特許請求範囲における「平らに伸ばす」も、刻み目線において内側に折り畳んだシートを元どおりに開いて「平らに伸ばす」ことを意味するものと解釈すべきである。


 たしかに、本願明細書中には、このシートを内側に折り畳み且つ平らに伸ばす「作業は任意のもの」なる記載がある(甲第三号証第七頁二〇行目)が、明細書の発明の詳細な説明中の右記載をもつて、特許請求の範囲に明記されている「内側に折り畳み且つ平らに伸ばす」との文言を全く無意味にしてしまうことはできないのみならず、右「作業は任意のもの」なる記載は実施例についてのものであつて、本願明細書は、他の個所で、本願発明の目的として、「……プラスチツクシートに連続して刻み目を入れ、容器壁が形成された後刻み目を連続的に開いて平らに伸ばし、刻み目が入れられ刻み目が開かれ平らに伸ばされた剛性のあるプラスチツク容器壁のロールを作り、端部キヤツプを取り付け、巻締めし、特に容器壁を熱可塑性材料から作るときは熱溶着することである。」と記載し(甲第三号証第三頁八行目ないし一五行目)、本願発明は、「平らに伸ばす」過程を経ることを本願発明の目的に包含せしめていることが認められるから、右実施例中の「この作業は任意のもの」との文言は、右記載に照らし、何らかの過誤によつて記載されたものとみることも可能であり、右任意であるとの文言の存在をもつて、特許請求の範囲の項の解釈を左右することは妥当を欠くものといわなければならない。


 更に、審決は、本願発明と引用例とは「シートを複数本の折り目線において連続的に内側に折」る点において一致するものと認定した。この点に関し、被告は、「内側」とは、容器において内容物が受容される中側をいうものであり、本願発明においても引用例においても折り目線において容器の内側に折られている点で両者は一致する旨の主張をしている。


 しかしながら、「内側」の意味を被告主張のように解するかぎり、容器を製作する場合、シートを折り目線において「内側」に折ることはおよそ当然のことで――なぜならば、二重容器のような特別の場合(そしてその場合でも、なお中側のものを容器と呼びうるかぎりにおいて)を除いては、内容物を「外側」に受容する容器なるものは、およそ考ええないものであるから――本願明細書が、その当然すぎるほど当然のことを特許請求の範囲において、わざわざ「内側の折」ると表現したものとは考えられない。そうではなくて、本願明細書が特許請求の範囲において、シートを『「内側」に折り畳み且つ平らに伸ばす』と言つているのは、シートを刻み目線において、刻み線を「内側」にして折り畳み、且つ一旦折り畳んだものを以前の状態に開くことを意味すると解釈すべきことは前説明のとおりである。


三 以上のとおりであり、審決は、本願発明と引用例とを対比するに当り、本願発明の解釈を誤り、両者の相違点を看過した点において違法であるから、原告主張のその余の審決取消事由についての判断を省略して、これを取消すこととし、訴訟費用は敗訴の当事者である被告の負担とすることとして主文のとおり判決する。』

 と判示されました。


 詳細は、本判決文を参照してください。

作者:Nbenrishi

更新日:2008年11月20日 0時0分

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●平成20(行ケ)10224 審決取消請求事件 商標権「NEXTEX」

 本日は、『平成20(行ケ)10224 審決取消請求事件 商標権 行政訴訟「NEXTEX」平成20年11月19日 知的財産高等裁判所』(http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/20081119161152.pdf)について取上げます。


 本件は、商標法50条1項に基づく商標登録の不使用取消審判の棄却審決の取消しを求め、棄却された事案です。


 本件では、パソコン画面上に表された名刺原稿に基づいて作成された名刺や封筒の存在等により登録商標の使用の事実が認定された点で、参考になる事案かと思います。


 つまり、知財高裁(第4部 裁判長裁判官 田中信義、裁判官 石原直樹、裁判官 杜下弘記)は、


『1 取消事由1(名刺及び封筒の存在並びに使用の事実についての認定の誤り)について


(1) 原告は,審決が,甲第26号証に係るパソコン画面上に表された名刺原稿に基づいて作成された名刺及び甲第27号証添付に係る封筒の存在並びに被告による使用の事実を認定したことは誤りであると主張するので,この点について検討する。


(2) 名刺及び封筒の存在

 甲第26号証によると,被告は,平成16年8月28日,名刺作成ソフトにより作成した被告代表者の名刺原稿ファイルを更新したこと,当該名刺原稿には被告の社名である「ネクステックス・コンサルティング株式会社」の表示とは別に「nextex ○R」と「consulting co.,ltd.」の英文表示が上下二段に記載されていること,上記英文表示の上段に配置された「nextex」の標記はその下段に配置された「consulting co.,ltd.」の表記に比して明らかに大きく記載されていること及び上段表記の「nextex ○R」の末尾の「○R」は,登録商標を意味するものであることがそれぞれ認められる。


 また,甲第27号証によると,被告は,エムケーツーに対して,社名入りの封筒2種と社名なしの封筒1種を発注し,エムケーツーは,被告に対し,平成17年5月18日,同発注に係る封筒を納品したことが認められるほか,同封筒のうち,社名入りの封筒には,上記の名刺原稿ファイルの表記と同様の態様で,被告の社名である「ネクステックス・コンサルティング株式会社」との表示及び「nextex○R」,「consulting co.,ltd.」の英文表示が上下二段に表記されていることが認められる。


 原告は,上記のうち,名刺原稿ファイルについて,甲第26号証のパソコン画面に表示されている「更新日時」は,パソコン上のデータであって,後から書き換え可能なものであるから,その日付に信憑性は認められない旨主張するが,被告においてパソコン上のデータを書き換えた可能性がある旨の抽象的な可能性を指摘するにとどまり,これを疑わせる具体的な主張立証はない。


 さらに,乙第1ないし第3号証の各1,2によると,被告代表者の名刺作成ソフトの更新日時が平成16年7月15日,同17年5月12日及び同年10月11日となっており,それぞれの日時における更新内容となっている名刺の表示においては,いずれも甲第26号証のものと同様,被告の社名である「ネクステックス・コンサルティング株式会社」との表示及び「nextex ○R」,「consulting co.,ltd.」との英文表示があること,また,同英文表示の構成についても,左側の略正方形に囲まれた線内に「n」と「x」を変形して組み合わせたマークが加えられているほかは,甲第26号証のものと同様の態様のものであることが認められる。


 以上の事実に,後記(3)で認定するように,被告を契約当事者とする平成17年1月1日付顧問契約書,同年5月15日付の販売促進活動等の授権を証する委任状及び平成19年1月16日付調査委託契約書等が存在する事実を勘案すると,これらの事業活動の展開に伴い被告代表者の名刺が必要とされるであろうことは極めて自然の事柄であるものということができるから,被告は,少なくとも平成16年ころから継続的に,上記英文表示を記載した被告代表者の名刺を作成していたものと優に推認することができるものというべきである。


 また,原告は,封筒について,甲第27号証は,エムケーツーが被告の意を受けて審判請求後の平成19年10月17日になって作成したものであり,到底信用できないと主張するが,甲第27号証のエムケーツーの証明書には,封筒についての被告宛の請求書及び同請求書の内容と整合する金融機関作成の振込明細書が添付されていることからみると,封筒について上記のとおり認定することができるのに対し,エムケーツーが内容虚偽の証明書を発行したと疑うに足りる具体的事情については何ら主張立証されていない。


 以上によれば,原告の上記主張を採用することはできない。


(3) 名刺及び封筒の使用

ア 被告による契約締結等

(ア) 甲第13号証によると,被告は,広島市所在の某株式会社との間において,平成17年1月1日,同社若しくは同社の関連会社の事業あるいは計画策定の円滑,かつ,戦略的な推進のため,又は,同社の指定による同社の役員,株主及び従業員に係る事案処理のため,相談,監修,交渉代理,専門家(法律,財務会計,知財産権その他)の手配その他の支援業務を行うことを内容とする顧問契約を締結したことが認められる。


(イ) 甲第15号証によると,被告は,中国在の某有限公司から,同有限公司の商品の日本企業又は日系企業に対する告知活動,販売促進活動,販売代理活動の依頼を受け,その旨の平成17年5月15日付けの委任状の交付を受けたことが認められる。


(ウ) 甲第21号証によると,被告は,某株式会社との間において,平成19年1月16日,別の会社を100%子会社化するための交渉戦略の検討及び報告に関する委託調査を内容とする委託契約を締結したことが認められる。


イ上記アにおいて認定したところによると,被告は,本件審判請求の登録前の3年以内に「法人の経営管理又は事業運営の代理又は代行」(上記ア(ア)),「商品の販売に関する情報の提供」(同(イ))及び「法人の設立又は廃止及び法人の提携・合併又は買収に関する助言・仲介・斡旋又は契約の代理・媒介」(同(ウ))の範疇に属する業務を行っていたことが認められるところ,これら被告の業務の少なくとも一部の遂行の過程において,被告代表者が甲第3若しくは第26号証又は乙第1号証の1,第2号証の1若しくは第3号証の1に係る名刺を使用して営業活動を行ったことを推認することができるほか,契約の相手方に対して関係書類を送付し,又は担当者等が持参して交付する際に,甲第27号証添付に係る封筒を使用したことを推認することができる。


(4) 以上によると,審決が,甲第26号証の名刺原稿に係る名刺及び甲第27号証添付に係る封筒の存在を前提として,被告によるこれらの使用の事実を認定したことに誤りはないというべきであるから,取消事由1は理由がない。


2 取消事由2(表示についての認定判断の誤り)について

(1) 原告は,被告の商号は「ネクステックス・コンサルティング株式会社」であり,「nextex consulting co.,ltd.」は,被告の商号の英文表記であるから,一連のものとして把握されるべきであって,このうち「nextex」の文字部分だけが看者の注意をひくものであるとも,この部分が他の文字から独立して把握認識されるものであるともいえないから,名刺及び封筒の記載から「nextex」の文字部分のみを取り出して,本件商標と社会通念上同一と認められる商標の使用を認定した審決の判断は誤りであると主張するので,検討する。


(2) 上記1(2)のとおり,甲第26号証に係る名刺及び甲第27号証添付に係る封筒には,いずれも「ネクステックス・コンサルティング株式会社」の表示とは別に「nextex」,「consulting co.,ltd.」の上下二段の英文表示があり,上段の「nextex」の部分が下段の「consulting co.,ltd.」に比して明らかに大きく記載されているほか,上段の記載の末尾には登録商標を意味する「○R」の記号が記載されているものであるから,英文表示中の「nextex」の部分は他の記載部分と明りょうに区別して認識され得るものと認められる。


 そして,上記の「nextex」の部分は,本件商標(「NEXTEX」)と字体が異なるだけであって社会通念上同一の商標と認められることは明らかである。


 さらに,上記1(3)イで認定したところを併せ考慮すると,被告が取消しを求める指定役務のうち「法人の設立又は廃止及び法人の提携・合併又は買収に関する助言・仲介・斡旋又は契約の代理・媒介,法人の経営管理又は事業運営の代理又は代行,商品の販売に関する情報の提供」に係る業務の遂行の過程において,本件商標と社会通念上同一の商標と認められる「nextex」を使用したことを認定することができる。


(3) 以上によると,商標権者である被告が本件審判請求の登録前3年以内に本件商標と社会通念上同一と認められる商標を使用したと認定した審決の判断は正当であり,取消事由2は理由がない。


第6 結論

 以上のとおり,取消事由はいずれも理由がないから,原告の請求を棄却するべきである。』


 と判示されました。


 詳細は、本判決文を参照して下さい。

作者:Nbenrishi

更新日:2008年11月19日 0時0分

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●「共通出願様式の受付開始について」

 11/21の特許庁HPに「共通出願様式の受付開始について」(http://www.jpo.go.jp/cgi/link.cgi?url=/tetuzuki/t_tokkyo/shutsugan/kyoutsusyutugan.htm)が掲載されています。


 来年の1月1日より、特許出願の出願形式が共通出願様式に変わります。


 記載内容自体はあまり変更されていないと思いますが、請求の範囲が明細書の後に回ったり、見出しの追加や名称変更がされていますので、注意が必要ですね。

作者:Nbenrishi

更新日:2008年11月22日 15時0分

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●平成20(行ケ)10314 審決取消請求事件 商標権「メルク萬有」

 本日は、『平成20(行ケ)10314 審決取消請求事件 商標権 行政訴訟「メルク萬有」平成20年10月30日 知的財産高等裁判所』(http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/20081030171304.pdf)について取上げます。


 本件は、商標の不使用取消審判の棄却審決の取消しを求め、その請求が認容された事案です。


 本件では、不使用取消審判の審決取消訴訟において、被告である商標権者が何ら使用の主張立証をしなかっため、原告側の主張が認められたようです。


 つまり、知財高裁(第3部 裁判長裁判官 飯村敏明、裁判官 齊木教朗、裁判官 嶋末和秀)は、


『被告は,適式の呼出し(公示送達によるものではない。)を受けたが,本件口頭弁論期日に出頭せず,答弁書その他の準備書面の提出もしない。したがって,前記第2記載の原告の主張(ただし,後記のとおり,被告において主張立証責任を負担する,本件商標の使用に係る事実は除く。)を自白したものとみなされる。


 なお,本件商標の商標権者である被告,専用使用権者又は通常使用権者のいずれかが,本件審判の予告登録がされた平成19年5月29日より前3年以内に,日本国内において,本件審判の請求に係る指定商品(第5類「薬剤」)について,本件商標の使用をしているとの事実は,被告において主張立証責任を負担する事項であるが(商標法50条2項),被告は,同事項について,何らの主張立証をしない。


 したがって,本件審決が認定した「被告は,本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において,本件商標を請求に係る指定商品中の『薬剤』について使用した」との事実は,これを認定することができない。


 よって,原告の請求は理由があるから,これを認容することとし,主文のとおり判決する。』


 と判示されました。

作者:Nbenrishi

更新日:2008年11月21日 15時0分

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●取消・無効審判の請求の趣旨中の『○○及びこれに類似する商品』

 日本商標協会(http://www.jp-ta.jp/index.html)に、『法制度研究部会からのお知らせ「取消・無効審判の請求の趣旨中『○○及びこれに類似する商品』の表示の取扱について」第2弾』(http://www.jp-ta.jp/word/news/20081110_news.doc)が掲載されています。


 これによりますと、日本商標協会の法制度研究部会と、特許庁審判部等との意見交換により、商標登録の取消審判及び無効審判の「請求の趣旨」において、「○○及びこれに類似する商品」等の記載は、原則として請求の趣旨の不明確な審判請求として取り扱われることになりましたが、このような記載が必要になる場合が想定されるので、かかる場合には、請求の趣旨を補正するのではなく、上申書などを提出して、「○○及びこれに類似する商品」の記載が必要な旨を申し述べる方法があるとのことです。

作者:Nbenrishi

更新日:2008年11月20日 15時0分

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●昭和54(行ケ)33特許権「幾何学的形状を有する容器の連続製造方法」

 もう、年末モードに入っていますので、とにかく忙しいですね。


 さて、本日は、『昭和54(行ケ)33 特許権 行政訴訟「幾何学的形状を有する容器の連続製造方法」昭和57年04月27日 東京高等裁判所』(http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/164C42174FE2B7E549256A76002F8929.pdf)について取り上げます。


 本件は、拒絶審決の取消しを求め、その請求が認容された事案です。確か、10/1の特許ニュースに掲載されていた事案だと思います。


 本件では、特許請求の範囲における「内側に折り畳み且つ平らに伸ばす」の用語を、明細書に記載された発明の詳細な説明を参酌して判断した点で、参考になる事案かと思います。


 つまり、東京高裁(裁判官 高林克巳 楠賢二 杉山伸顕)は、


『二 そこで、審決にこれを取消すべき違法の点があるかどうかについて判断する。

(本願発明について)


 原告は、本願発明は「管状リボンの連続製造方法」に関するものであるとし、このことを基本として審決取消事由を主張するのに対し、被告は本願発明は「中空容器の連続製造方法」に関するものであり、したがつて原告がこれを「管状リボンの連続製造方法」と把握し、これを前提として審決の判断を攻撃するのは理由がないと争つているものと解せられるので、先ずこの点について判断する。


 成立について争いのない甲第二号証(本願発明の原明細書)によれば、本願発明の原明細書の特許請求の範囲は、

「長い剛性のあるプラスチツクシートから幾何学的形状を持つた中空容器を連続的に作る方法にして、前記シートの長手方向に少なくとも二本の連続状の刻み目線を入れる段階と、前記シートを二本の刻み目線において連続的に内側に折りたたむ段階と、この折りたたんだシートの長手方向の自由端縁部を密封して扁平な管状のリボンを形成する段階と、を包含することを特徴とする幾何学的形状を有する中空容器の連続製造方法。」


というものであることが認められ、右記載によれば、本願発明の原出願は、中空容器の連続製造方法に関するものであることは疑う余地がない。


 ところが、成立について争いのない甲第三号証(昭和四四年一二月四日付手続補正書)によれば、原告は、その後、特許請求の範囲を事実摘示第二の二記載のごとく補正したものであることが認められる。しかして、右記載は「剛性のあるプラスチツクシートの長い巻物から、切断されて幾何学的形状をした中空容器に変換できる扁平な管状リボンを連続的に作る方法にして、……を包含することを特徴とする幾何学的形状を有する中空容器の連続製造方法」というものであつて、右前段の記載と後段の記載とは一見矛盾するものであるが、前段の記載を重視すれば、原告主張のように、本願発明は、「管状リボンの連続製造方法」に関するものであると解せられなくもない(この場合後段の記載は、「……を包含することを特徴とする幾何学的形状を有する中空容器『に変換できる管状リボン』の連続製造方法」と読むものとし、また、そう読むことも必らずしも不可能ではない。)


 しかしながら、前記手続補正書においても、発明の名称(「幾何学的形状を有する容器の連続製造方法」)は、変えられることなく、発明の詳細な説明も原明細書のそれと表現において大差のないものであること、特に第四頁七行目ないし一〇行目には、「本発明では、透明な剛性のあるプラスチツクシート容器を連続的に壁形状に作り、そのあとで該壁を一定長に切断し、端部キヤツプすなわち蓋を安くて簡便な方法で取り付ける。」との記載があり、同所以下にその詳細な説明及び容器の製造方法の実施例が記載されている点から勘案すれば、本願発明は原告主張のような「管状リボンの連続製造方法」に止まるものではなく、「幾何学的形状を有する中空容器の連続製造方法」に関するものというべきである。


(審決の本願発明と引用例の一致点及び相違点の認定について)

 審決(成立について争いのない甲第一号証)は、本願発明と引用例(成立について争いのない甲第四号証)との一致点を、「剛性のあるシートの長い巻物から切断されて幾何学的形状をした中空容器を連続的に作る方法にして先端鈍角の部材で前記シートの硬い表面上に長手方向に連続した折り目をつけ前記シート表面上に少なくとも二本の蝶番の作用をする連続した長手方向折り目線を形成する段階と、前記シートを複数本の折り目線において連続的に内側に折り、前記の折つたシートの長手方向の自由端縁部を密封して管状リボンを形成する幾何学的形状を有する中空容器の連続製造方法。」とし、本願発明が引用例と相違する点として「本願発明が(i)長いシートに、引用例の技術の長尺紙シートに代えて、プラスチツクシートをもつて供した点、(ii)シートを折るための折り目付けにあたり、引用例の技術が凸凹条ロールで連続した折り目をつけたのに対し、先端鈍角の刃で連続した刻み目をつけた点、(iii)管状リボンを扁平に形成する段階を包含せしめている点」の三点を挙げ、この相違点について判断して、結局本願発明は当業者が引用例に記載された発明に基づいて容易に発明することができたものであるとしている。


 しかしながら、本願明細書(甲第三号証)の特許請求の範囲は事実摘示第二の二記載のとおりであり、これによれば、本願発明は、剛性のあるプラスチツクシートの表面上に少なくも二本の長手方向刻み目線を形成する段階と、このシートを(少なくとも)二本の刻み目線において連続的に「内側に折り畳み且つ平らに伸ばす段階」とを包含していることが明らかであるが、引用例には、このシートを「内側に折り畳み且つ平らに伸ばす段階」は存しないと認められるから、本願発明は審決の認める前記三つの相違点のほかに、なおこの相違点が存するものとしなければならない。


 しかして、シートを(少なくとも)二本の刻み目線において連続的に「内側に折り畳み且つ平らに伸ばす」とは、発明の詳細な説明の項(甲第三号証第四頁一五、一六行目、第六頁一六行目ないし第七頁二〇行目)の記載を参照すると、中空容器を製造する段階でできる管状リボンを一定長に切断した後でこれに端部(実施例ではキヤツプ64)を取り付ける際に、容器壁の操作を容易にするために、刻み目線においてプラスチツクシートを先ず内側に折り畳み、次いでこの一旦折り畳んだシートを折り畳む前の状態に開くこと(発明の詳細な説明の欄第四頁一五、一六行目ではこれを「刻み目の或るものを閉じたり開いたり」すると表現しており、四角形の中空容器を作る実施例においては、この閉じたり開いたりが各二本の刻み目線において二度にわたつて行なわれる旨が記載されている―第七頁一六、一七行目)をいうものであると解される。


 審決は、本願発明と引用例の相違点を認定するに当り、第三点として、本願発明が管状リボンを扁平に形成する段階を包含している点を挙げているが、本願発明が明細書の特許請求の範囲において「扁平な管状リボンを形成する段階」と言つているのは、前記のシートを連続的に「内側に折り畳み且つ平らに伸ばす段階」とは異なるものであるから、審決が右相違点(iii)を挙げたことをもつて、本願発明の引用例との相違点である、本願発明がシートを連続的に「内側に折り畳み且つ平らに伸ばす段階」に言及したものとすることができないのはいうまでもない。しかして右の点は本願発明の必須構成要件であるから、審決は本願発明と引用例との相違点についての判断を遺脱し、事実を誤認したものであつて違法である。


 右の点に関し、被告は、本願明細書の特許請求の範囲における「内側に折り畳み」とは、シートを幾何学的形状の中空容器の内側に折り畳むことを意味するものであり、本願発明は刻み目が幾何学的形状の中空容器の内側に設けられていることを要件とするものではない旨の主張をしている。


 しかしながら、原告は、本願発明は刻み目が幾何学的形状の中空容器の内側に設けられていることを要件とするものであると主張するものではなく―ー刻み目が幾何学的形状の中空容器の内側にあつても外側にあつてもよいことは、本願明細書(甲第三号証)第一四頁一行目ないし七行目の記載の示すところである−プラスチツクシートを刻み目線において、刻み目を入れた面を内側にして折り畳むことを要件とするものであることを主張するものであることは明らかであるから、被告の右主張は理由がない。


 被告は、また、本願明細書の特許請求の範囲でいう「折り畳み且つ平らに伸ばす」とは、折り畳まれたシートをそのまま平らに伸ばす(扁平化する)ことと捉えるべきであり、特許請求の範囲においては「折り畳み且つ平らに伸ばす」段階は、自由端縁部の密封の前段に記載されているにかかわらず、発明の詳細な説明の項及び図面においては、自由端縁部の密封作業が先に、分離された隅部を平らに伸ばす工程が後に来るように記載されているから、特許請求の範囲の「折り畳み且つ平らに伸ばす」を「隅部(刻み目)のシートを分離し平らに伸ばす」と捉えることは本願発明の製造工程の段階的序列をこわすこととなるから許容し難く、本願明細書には「この作業は任意のもので」とあるから、「隅部のシートを分離して平らに伸ばす」ことは本願発明の構成要件ではない旨の主張をする。


 本願明細書(甲第三号証)の特許請求の範囲の項と、発明の詳細な説明の項及び図面の記載とでは、シートを折り畳み且つ平らに伸ばす段階と、自由端縁部の密封段階とが逆の順序になつていることは被告指摘のとおりであるが、そうであるからといつて、特許請求の範囲に記載の順序では本願発明が実施不能になつてしまうということはない。


 問題は、明細書の特許請求の範囲の項の記載と、発明の詳細な説明の項又は図面の記載とが矛盾する場合に出願をどのように取扱うべきかということにすぎない。


 この場合は、特許法第三六条第五項により拒絶すれば足る。本件審決は、本件出願をその理由で拒絶しているものではなく、本願発明を解釈し、これを引用例と対比しているのである。しかして、出願に係る発明の解釈に当つては、特許請求の範囲に記載された事項が、発明の詳細な説明の項又は図面に記載された事項と矛盾するとの一事をもつて、特許請求の範囲に記載された事項を全く無意味のものにしてしまうことは許されない。


 出願人が始めから完全な明細書を作成することは必らずしも常に期待できるものではないから、その場合は、むしろ、特許法第七〇条の規定の趣旨にのっとり、発明の詳細な説明の項及び図面の記載にかかわらず、出願に係る発明思想を把握し得るかぎり、特許請求の範囲の記載に基づいてこれを解釈すべきものである。


 そうすると、本願発明の明細書の特許請求の範囲でいう「平らに伸ばす」なる用語は、明細書の図面の簡単な説明の項及び発明の詳細な説明の項(甲第三号証第一頁九行目、第三頁一一行目、同一二行目、第七頁六行目、同一三行目、第八頁一三、一四行目)においていずれもシートを刻み目線において内側に折り畳み、その折り畳んだものを開いて元どおりに「平らに伸ばす」意味で使用されており、その他の意味で使用されているところはなく、ましてや、被告が主張するような折り畳まれたシートをそのまま平らに伸ばす(扁平化する)意味で使用されているところは一か所もないから、この特許請求範囲における「平らに伸ばす」も、刻み目線において内側に折り畳んだシートを元どおりに開いて「平らに伸ばす」ことを意味するものと解釈すべきである。


 たしかに、本願明細書中には、このシートを内側に折り畳み且つ平らに伸ばす「作業は任意のもの」なる記載がある(甲第三号証第七頁二〇行目)が、明細書の発明の詳細な説明中の右記載をもつて、特許請求の範囲に明記されている「内側に折り畳み且つ平らに伸ばす」との文言を全く無意味にしてしまうことはできないのみならず、右「作業は任意のもの」なる記載は実施例についてのものであつて、本願明細書は、他の個所で、本願発明の目的として、「……プラスチツクシートに連続して刻み目を入れ、容器壁が形成された後刻み目を連続的に開いて平らに伸ばし、刻み目が入れられ刻み目が開かれ平らに伸ばされた剛性のあるプラスチツク容器壁のロールを作り、端部キヤツプを取り付け、巻締めし、特に容器壁を熱可塑性材料から作るときは熱溶着することである。」と記載し(甲第三号証第三頁八行目ないし一五行目)、本願発明は、「平らに伸ばす」過程を経ることを本願発明の目的に包含せしめていることが認められるから、右実施例中の「この作業は任意のもの」との文言は、右記載に照らし、何らかの過誤によつて記載されたものとみることも可能であり、右任意であるとの文言の存在をもつて、特許請求の範囲の項の解釈を左右することは妥当を欠くものといわなければならない。


 更に、審決は、本願発明と引用例とは「シートを複数本の折り目線において連続的に内側に折」る点において一致するものと認定した。この点に関し、被告は、「内側」とは、容器において内容物が受容される中側をいうものであり、本願発明においても引用例においても折り目線において容器の内側に折られている点で両者は一致する旨の主張をしている。


 しかしながら、「内側」の意味を被告主張のように解するかぎり、容器を製作する場合、シートを折り目線において「内側」に折ることはおよそ当然のことで――なぜならば、二重容器のような特別の場合(そしてその場合でも、なお中側のものを容器と呼びうるかぎりにおいて)を除いては、内容物を「外側」に受容する容器なるものは、およそ考ええないものであるから――本願明細書が、その当然すぎるほど当然のことを特許請求の範囲において、わざわざ「内側の折」ると表現したものとは考えられない。そうではなくて、本願明細書が特許請求の範囲において、シートを『「内側」に折り畳み且つ平らに伸ばす』と言つているのは、シートを刻み目線において、刻み線を「内側」にして折り畳み、且つ一旦折り畳んだものを以前の状態に開くことを意味すると解釈すべきことは前説明のとおりである。


三 以上のとおりであり、審決は、本願発明と引用例とを対比するに当り、本願発明の解釈を誤り、両者の相違点を看過した点において違法であるから、原告主張のその余の審決取消事由についての判断を省略して、これを取消すこととし、訴訟費用は敗訴の当事者である被告の負担とすることとして主文のとおり判決する。』

 と判示されました。


 詳細は、本判決文を参照してください。

作者:Nbenrishi

更新日:2008年11月19日 15時0分

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●平成20(行ケ)10224 審決取消請求事件 商標権「NEXTEX」

 本日は、『平成20(行ケ)10224 審決取消請求事件 商標権 行政訴訟「NEXTEX」平成20年11月19日 知的財産高等裁判所』(http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/20081119161152.pdf)について取上げます。


 本件は、商標法50条1項に基づく商標登録の不使用取消審判の棄却審決の取消しを求め、棄却された事案です。


 本件では、パソコン画面上に表された名刺原稿に基づいて作成された名刺や封筒の存在等により登録商標の使用の事実が認定された点で、参考になる事案かと思います。


 つまり、知財高裁(第4部 裁判長裁判官 田中信義、裁判官 石原直樹、裁判官 杜下弘記)は、


『1 取消事由1(名刺及び封筒の存在並びに使用の事実についての認定の誤り)について


(1) 原告は,審決が,甲第26号証に係るパソコン画面上に表された名刺原稿に基づいて作成された名刺及び甲第27号証添付に係る封筒の存在並びに被告による使用の事実を認定したことは誤りであると主張するので,この点について検討する。


(2) 名刺及び封筒の存在

 甲第26号証によると,被告は,平成16年8月28日,名刺作成ソフトにより作成した被告代表者の名刺原稿ファイルを更新したこと,当該名刺原稿には被告の社名である「ネクステックス・コンサルティング株式会社」の表示とは別に「nextex ○R」と「consulting co.,ltd.」の英文表示が上下二段に記載されていること,上記英文表示の上段に配置された「nextex」の標記はその下段に配置された「consulting co.,ltd.」の表記に比して明らかに大きく記載されていること及び上段表記の「nextex ○R」の末尾の「○R」は,登録商標を意味するものであることがそれぞれ認められる。


 また,甲第27号証によると,被告は,エムケーツーに対して,社名入りの封筒2種と社名なしの封筒1種を発注し,エムケーツーは,被告に対し,平成17年5月18日,同発注に係る封筒を納品したことが認められるほか,同封筒のうち,社名入りの封筒には,上記の名刺原稿ファイルの表記と同様の態様で,被告の社名である「ネクステックス・コンサルティング株式会社」との表示及び「nextex○R」,「consulting co.,ltd.」の英文表示が上下二段に表記されていることが認められる。


 原告は,上記のうち,名刺原稿ファイルについて,甲第26号証のパソコン画面に表示されている「更新日時」は,パソコン上のデータであって,後から書き換え可能なものであるから,その日付に信憑性は認められない旨主張するが,被告においてパソコン上のデータを書き換えた可能性がある旨の抽象的な可能性を指摘するにとどまり,これを疑わせる具体的な主張立証はない。


 さらに,乙第1ないし第3号証の各1,2によると,被告代表者の名刺作成ソフトの更新日時が平成16年7月15日,同17年5月12日及び同年10月11日となっており,それぞれの日時における更新内容となっている名刺の表示においては,いずれも甲第26号証のものと同様,被告の社名である「ネクステックス・コンサルティング株式会社」との表示及び「nextex ○R」,「consulting co.,ltd.」との英文表示があること,また,同英文表示の構成についても,左側の略正方形に囲まれた線内に「n」と「x」を変形して組み合わせたマークが加えられているほかは,甲第26号証のものと同様の態様のものであることが認められる。


 以上の事実に,後記(3)で認定するように,被告を契約当事者とする平成17年1月1日付顧問契約書,同年5月15日付の販売促進活動等の授権を証する委任状及び平成19年1月16日付調査委託契約書等が存在する事実を勘案すると,これらの事業活動の展開に伴い被告代表者の名刺が必要とされるであろうことは極めて自然の事柄であるものということができるから,被告は,少なくとも平成16年ころから継続的に,上記英文表示を記載した被告代表者の名刺を作成していたものと優に推認することができるものというべきである。


 また,原告は,封筒について,甲第27号証は,エムケーツーが被告の意を受けて審判請求後の平成19年10月17日になって作成したものであり,到底信用できないと主張するが,甲第27号証のエムケーツーの証明書には,封筒についての被告宛の請求書及び同請求書の内容と整合する金融機関作成の振込明細書が添付されていることからみると,封筒について上記のとおり認定することができるのに対し,エムケーツーが内容虚偽の証明書を発行したと疑うに足りる具体的事情については何ら主張立証されていない。


 以上によれば,原告の上記主張を採用することはできない。


(3) 名刺及び封筒の使用

ア 被告による契約締結等

(ア) 甲第13号証によると,被告は,広島市所在の某株式会社との間において,平成17年1月1日,同社若しくは同社の関連会社の事業あるいは計画策定の円滑,かつ,戦略的な推進のため,又は,同社の指定による同社の役員,株主及び従業員に係る事案処理のため,相談,監修,交渉代理,専門家(法律,財務会計,知財産権その他)の手配その他の支援業務を行うことを内容とする顧問契約を締結したことが認められる。


(イ) 甲第15号証によると,被告は,中国在の某有限公司から,同有限公司の商品の日本企業又は日系企業に対する告知活動,販売促進活動,販売代理活動の依頼を受け,その旨の平成17年5月15日付けの委任状の交付を受けたことが認められる。


(ウ) 甲第21号証によると,被告は,某株式会社との間において,平成19年1月16日,別の会社を100%子会社化するための交渉戦略の検討及び報告に関する委託調査を内容とする委託契約を締結したことが認められる。


イ上記アにおいて認定したところによると,被告は,本件審判請求の登録前の3年以内に「法人の経営管理又は事業運営の代理又は代行」(上記ア(ア)),「商品の販売に関する情報の提供」(同(イ))及び「法人の設立又は廃止及び法人の提携・合併又は買収に関する助言・仲介・斡旋又は契約の代理・媒介」(同(ウ))の範疇に属する業務を行っていたことが認められるところ,これら被告の業務の少なくとも一部の遂行の過程において,被告代表者が甲第3若しくは第26号証又は乙第1号証の1,第2号証の1若しくは第3号証の1に係る名刺を使用して営業活動を行ったことを推認することができるほか,契約の相手方に対して関係書類を送付し,又は担当者等が持参して交付する際に,甲第27号証添付に係る封筒を使用したことを推認することができる。


(4) 以上によると,審決が,甲第26号証の名刺原稿に係る名刺及び甲第27号証添付に係る封筒の存在を前提として,被告によるこれらの使用の事実を認定したことに誤りはないというべきであるから,取消事由1は理由がない。


2 取消事由2(表示についての認定判断の誤り)について

(1) 原告は,被告の商号は「ネクステックス・コンサルティング株式会社」であり,「nextex consulting co.,ltd.」は,被告の商号の英文表記であるから,一連のものとして把握されるべきであって,このうち「nextex」の文字部分だけが看者の注意をひくものであるとも,この部分が他の文字から独立して把握認識されるものであるともいえないから,名刺及び封筒の記載から「nextex」の文字部分のみを取り出して,本件商標と社会通念上同一と認められる商標の使用を認定した審決の判断は誤りであると主張するので,検討する。


(2) 上記1(2)のとおり,甲第26号証に係る名刺及び甲第27号証添付に係る封筒には,いずれも「ネクステックス・コンサルティング株式会社」の表示とは別に「nextex」,「consulting co.,ltd.」の上下二段の英文表示があり,上段の「nextex」の部分が下段の「consulting co.,ltd.」に比して明らかに大きく記載されているほか,上段の記載の末尾には登録商標を意味する「○R」の記号が記載されているものであるから,英文表示中の「nextex」の部分は他の記載部分と明りょうに区別して認識され得るものと認められる。


 そして,上記の「nextex」の部分は,本件商標(「NEXTEX」)と字体が異なるだけであって社会通念上同一の商標と認められることは明らかである。


 さらに,上記1(3)イで認定したところを併せ考慮すると,被告が取消しを求める指定役務のうち「法人の設立又は廃止及び法人の提携・合併又は買収に関する助言・仲介・斡旋又は契約の代理・媒介,法人の経営管理又は事業運営の代理又は代行,商品の販売に関する情報の提供」に係る業務の遂行の過程において,本件商標と社会通念上同一の商標と認められる「nextex」を使用したことを認定することができる。


(3) 以上によると,商標権者である被告が本件審判請求の登録前3年以内に本件商標と社会通念上同一と認められる商標を使用したと認定した審決の判断は正当であり,取消事由2は理由がない。


第6 結論

 以上のとおり,取消事由はいずれも理由がないから,原告の請求を棄却するべきである。』


 と判示されました。


 詳細は、本判決文を参照して下さい。

作者:Nbenrishi

更新日:2008年11月18日 15時0分

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